人工透析とは…

※人工透析とは…
 人工透析は、血液を体外に循環させ、ダイアライザー(透析器)の透析膜を介して余分な水や老廃物を除去する方法です。血液透析と腹膜透析があります。
 ダイアライザーの中は、内側には透析液、外側に血液が逆方向に流れていて、水分と小さな物質のみを通す半透膜(繊維状のものが数百本)があり、余分な水や老廃物を除去し、必要な電解質などを補充しています。
 通常、透析が受けられる医療機関に週3回通院し、1回3~5時間の治療を受けます。また、通院治療のほかに自宅に透析装置を設置する在宅血液透析もあります。

※腎臓の役割
 腎臓は、人間の体内で重要な役割を果たしています。腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を取り除き、尿として排出することで体内のバランスを維持します。
 また、腎臓は血圧の調節、赤血球の生成、骨の健康維持にも関与しています。腎臓が正常に機能しないと、体内に老廃物が蓄積され、健康に悪影響を及ぼすことがあります。健康な生活習慣を心がけることで、腎臓の健康を維持することができます。

○尿をつくる。
○血圧を調節。
○体内の循環を一定に保つ。
○血液を作る。
○ビタミンDの活性化。

※腎臓病の治療法
 腎臓病の治療には、一般療法、食事療法、薬物療法、透析療法、血漿交換療法などがあります。そのときの病状に応じて治療法が決められます。
 腎臓病における薬物療法は、むくみや高血圧などの症状の改善を目的とした「対症療法」と、腎臓病の発症要因となる免疫系や血液の凝固系の異常に対する「原因療法」の2本だてで行われます。
 慢性腎臓病(CKD)の治療は、日々の生活習慣の改善、食事療法や薬物治療による血圧管理、貧血改善、脂質管理、血糖管理、塩分摂取制限などを総合的におこなうことが必要です。

※食事療法について
 食事療法は腎臓病にとっては大切の事の1つです。腎臓病の食事療法は、腎臓の働きが健康なときの60%未満になるステージG3aから始めます。食事療法の基本は、「減塩」「たんぱく質制限」「適正エネルギー量摂取」の3つです。また、必要に応じて「カリウムやリンの制限」を行います。
 食塩のとり過ぎは高血圧につながるため、1日3g以上6g未満にします。たんぱく質は体内で分解されて老廃物となり、ろ過する腎臓の負担を増やすため、摂取を制限します。たんぱく質の1日の摂取目標は、ステージG3aの場合、標準体重(身長m×身長m×22)1kg当たり、0.8~1.0g、ステージG3b以上の場合は、標準体重1kg当たり0.6~0.8gです。肉や魚だけでなく、主食であるご飯やパンにも含まれているので、これらも合計する必要があります。

※腎臓病患者のたんぱく質制限
 腎臓病の食事療法において、たんぱく質制限は重要な役割を果たし、透析の導入を少しでも遅らせるには必要な事です。たんぱく質は体内で分解されると、尿素やクレアチニンなどの老廃物となり、腎臓のろ過機能に負担をかけます。そのため、腎臓病の進行を抑えるためには、たんぱく質の摂取量を制限することが必要です。
 たんぱく質の1日の摂取目標は、腎臓病のステージによって異なります。ステージG3aの場合、標準体重(身長m×身長m×22)1kg当たり、0.8~1.0g、ステージG3b以上の場合は、標準体重1kg当たり0.6~0.8gです。肉や魚だけでなく、主食であるご飯やパンにも含まれているので、これらも合計する必要があります。
 ただし、たんぱく質は体内で筋肉や血液などを作る重要な栄養素です。そのため、制限しすぎると栄養不足になる可能性があります。適切な量を摂取することが大切です。

※糖尿病性腎症について
 糖尿病性腎症は、人工透析になるのが、一番多い疾患の1つです。糖尿病に伴って起こる腎臓の病気で、糖尿病性腎臓病と呼ばれることもあります。 糖尿病が発症してすぐに生じるわけではなく、高血糖の状態が長く続いた場合に腎臓が傷んでしまうことで発症します。
 腎臓に傷みが生じて腎臓の機能が低下することを「腎機能低下」、「腎症」などと呼びますが、特に糖尿病が原因で腎臓の機能が低下した場合を、「糖尿病腎症」と呼びます。糖尿病腎症の発症早期は無症状であることが多いですが、腎機能が低下すると、前述したからだの調節機能が弱まることでさまざまな症状・合併症がおこります。

※ネフローゼ症候群の種類と人工透析
 ネフローゼ症候には人工透析になる疾患がいくつかあります。腎臓の糸球体が損傷することによって引き起こされます。ネフローゼ症候群は、一次性ネフローゼ症候群と二次性ネフローゼ症候群の2つに分けられます。

●一次性ネフローゼ症候群
 腎臓の糸球体に起こる病気が原因であり、微小変化型ネフローゼ症候群巣状糸球体硬化症膜性腎症膜性増殖性糸球体腎炎などがあります。

●二次性ネフローゼ症候群
 全身に影響する病気や薬剤が原因であり、糖尿病性腎症(糖尿病が原因)、ループス腎炎(SLEが原因)、アミロイド腎症(全身性アミロイドーシスが原因)、がん(悪性腫瘍)、薬剤性腎障害などがあります。
 人工透析になりやすいものについては、慢性腎臓病の進行によって徐々に腎機能が低下する場合があります。

※膜性増殖性糸球体腎炎について
 膜性増殖性糸球体腎炎は、ネフローゼ症候群の中で人工透析になりやすい疾患の1つとされています。腎臓の中にある糸球体の血管やその周辺の組織が、増殖したり厚くなったりする病気です。ネフローゼ症候群の一種で、原因不明の一次性と、他の病気が原因で起こる二次性があります。二次性膜性増殖性糸球体腎炎を起こす病気には、C型肝炎やSLE、クリオグロブリン血症などが知られています。
 身体のむくみや高血圧を契機に発見されることもあれば、健診などでのタンパク尿や血尿などの指摘から見つかることもあります。 膜性増殖性糸球体腎炎が、疑われる場合には、尿検査や血液検査、腎生検などで診断が行なわれます。

※透析導入の基準
 透析導入の基準として、厚生省研究班による平成3年度厚生科学研究腎不全医療研究事業研究報告書に透析の導入基準が示されています。
 保存的治療では、改善できない慢性腎機能障害、臨床症状、日常生活能の障害を呈し、以下の I ~ III 項目の合計点数が原則として、60点以上になった時に長期透析療法への導入適応とします。

I. 腎機能
- 血清クレアチニン8mg/dl以上 (クレアチニンクリアランス10ml/min未満) → 30点
- 血清クレアチニン5~8mg/dl未満 (クレアチニンクリアランス10~20ml/min未満) → 20点
- 血清クレアチニン3~5mg/dl未満 (クレアチニンクリアランス20~30ml/min未満) → 10点

II. 臨床症状
1.体液貯留 (全身性浮腫, 高度の低蛋白血症, 肺水腫)
2.体液異常 (管理不能の電解質・酸塩基平衡異常)
3.消化器症状 (悪心, 嘔吐, 食思不振, 下痢など)
4.循環器症状 (重篤な高血圧, 心不全, 心包炎)
5.神経症状 (中枢・末梢神経障害, 精神障害)
6.血液異常 (高度の貧血症状, 出血傾向)
7.視力障害 (尿毒症性網膜症, 糖尿病性網膜症)

 これら1~7小項目のうち3項目以上のものを高度 (30点)、2項目を中等度 (20点)、1項目を軽度 (10点)とする。

III. 日常生活障害度
 尿毒症症状のため起床できないものを高度 (30点)、日常生活が著しく制限されるものを中等度 (20点)、通勤, 通学あるいは家庭内労働が困難となった場合を軽度 (10点)とする。

 ただし、年小者 (10歳以下)、高齢者 (65歳以上)あるいは高度な全身性血管障害を合併する場合、全身状態が著しく障害された場合などはそれぞれ10点加算すること。

※人工透析の必要性について
 人工透析とは、腎臓の働きが低下して体に溜まってしまった老廃物を人工腎臓(ダイヤライザー)を使って体外に排出することです。人工透析が必要と診断されるのは、腎臓の働きが正常な状態の約1割以下になるときで、尿毒症という状態になることもあります。尿毒症とは、腎機能の著しい低下によって不要物・老廃物が体内に溜まり、倦怠感や食欲低下、悪心・嘔吐、頭痛などの症状が現れてきた状態を指します。重篤化すると心臓や消化器・脳神経などに障害が起こり、全身けいれんや心不全、肺水腫などにつながるおそれもあります。
 そこで、体内に溜まっていく老廃物を適切に処理し、血液を浄化するために行うのが透析療法です。透析療法は腎臓そのものの機能を回復させるわけではなく、機能を人工的に補助するものですから、赤血球を作るための造血ホルモンの注射や内服薬など、透析で代替できない腎機能については別に補充する必要があります。
透析療法には、血液透析と腹膜透析の2種類があります。血液透析は、血液を循環させながら機械を使ってろ過を行います。医療機関で行われることが多く、通院治療が主です¹。腹膜透析は、血液透析と比較して通院回数が少ないことがメリットですが、腹膜の働きには限りがあるため、いずれは血液透析や腎移植など、他の治療法を検討する必要があります。
 血液透析の場合、通院治療は週3回、1回4時間程度が一般的です。血液検査や体重の増減など、個々の患者さんに合わせて日数や時間が決められるため、週に2度や1回3時間の人もいます。しかし、時間をかけてゆっくりと十分に老廃物や水分を取り除いた方が、体内に老廃物が溜まりにくくなるため、その後の体への負担も少なくなります。

※血液透析の利点
 血液透析は透析患者にとって、生命維持のために重要な治療法です。血液透析の利点としては以下のようなものがあります。
1. 毒素の除去
 血液透析は、腎臓が正常に機能しないために血液中に蓄積された毒素を除去することが出来ます。
2. 酸塩基平衡の維持
 腎臓が正常に機能しない場合、体内の酸塩基バランスが崩れますが、血液透析によってこのバランスを維持できます。
3. 高血圧の管理
 腎臓が正常に機能しない場合、高血圧になることがありますが、血液透析は血圧を管理することが出来ます。
4. 貧血の改善
 腎臓が正常に機能しない場合、貧血になることがありますが、血液透析は貧血を改善することが出来ます。
5. 生活の質の改善
 血液透析によって患者は症状を軽減し、生活の質を改善することが出来ます。

※腎不全とは…。
 腎臓の機能が、進行が早い時は数ヵ月から数十年をかけて徐々に低下した状態をいいます。一般的に腎臓の機能が正常な状態の3分の1以下に低下した状態をいいます。
 腎機能が低下すると、血液の酸性度が高くなり、貧血が起き、骨の組織が劣化し、動脈硬化になりやすくなります。腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、機能が低下するまでは、自覚症状はほとんどないのが特徴で、急性腎不全は適切な治療を行えば腎機能回復の可能性はありますが、慢性腎不全は腎臓の機能の回復はほとんどないでしょう。腎臓の機能が10%以下となった末期腎不全は、透析療法(人工透析)や腎移植が必要になります。慢性腎不全は病名ではなく、腎臓の機能が低下した病態のことを指します。

※人工透析の目的
 人工透析は腎臓が腎不全に陥った時に、血液をろ過して余分な水分や老廃物を排泄する治療法です。腎臓は体内の老廃物や余分な水分を排泄しているため、腎機能が失われると有害物質が溜まって体調が悪化します。
 人工透析は、腎臓の病気や急性の損傷によって腎機能が低下した時、または腎機能が失われた末期腎不全患者に適用されます。この治療法によって、体内に溜まった有害な物質や余分な水分を排泄し、血液のバランスを正常に保ちます。
 人工透析には、透析液を体内に取り込んで行う腹膜透析と、血液をダイヤライザーを通じてろ過する血液透析があります。いずれも腎臓に代わって体内の有害物質を排泄する効果があります。人工透析は、腎機能を代替するための一時的な治療法として利用される場合もあり、末期腎不全患者には腎移植が選択肢として考慮されます。

※血液透析の仕組み
 仕組みの基本は「拡散」と「ろ過」で、慢性腎臓病のステージ5(末期腎不全)になった時に行う腎代替療法には、腎臓移植の他に透析療法があります。透析療法には血液透析(HD)、血液濾過透析(HDF)、血液透析濾過(O-HDF)、腹膜透析(PD)に分類されます。
 上記の透析方法は、腎臓の主な機能の「老廃物の除去」「水分調節」を行い、その仕組みには「浸透圧格差」を使用していて物理的な機序が生かされています。血液中の老廃物は「拡散」によって透析液に移動します。拡散は透析の基本となる物理的な現象で、溶質濃度の違う2種類の液体が、ダイアライザーの半透膜(透析膜)で目に見えない小さい穴の開いた膜を境にして接すると、濃度の高いものは薄い方へ、薄いものは高い方へ移動します。透析は濃度格差による性質を使用し半透膜を使って老廃物・余分な水分を除去していきます。透析患者の血液中の物質は、老廃物が含まれていない透析液に移動します。
 2012年の診療報酬改定で正式に健康保険に適用されてから急速に「オンラインHDF(O-HDF)」が増えてきました。このオンラインHDFは、透析液に補充液をそのまま使用します。大量の体液(25~50L)を取り除き、その代わり、ほぼ同じ量の透析液を体内に注入して体液を補充します。

※血液透析の原理
 患者はベッドに横になった状態、または椅子に座った状態で透析を受けます。体内から出された血液は「ダイヤライザー」に入り、血液が送り込まれた「ダイヤライザー」の中は細いチューブが複数束ねられて出来ていて、「ダイヤライザー」の外側を血液が流れ、内側を逆方向に透析液が交互に流れます。
 透析液はナトリウムやカルシウムなど正常な血液に近い電解質で出来ていて、「ダイヤライザー」の中で水分・老廃物を取り除き正常な血液にしています。物質は基本的に濃度を均一にしようという性質かあり、濃い液体が薄い液体に流れ込み濃度を均一にしようとします。「ダイヤライザー」はこの原理を応用しています。「ダイヤライザー」内では細いチューブの外側を流れる透析液に不足する物質が、内側を逆方向に流れる血液に細いチューブの膜を通して、透析液から血液に物質が移動します。血液中の不要な物質や余分な水分は透析液に流れ込み、物質が移動し合うことで濃度を均一にし、濃度が丁度よくなった血液は患者の体に戻されます。

※透析膜とは…
 ダイヤライザーのなかでは、透析膜がありその中で血液と透析液が交互に流れていて、血液と透析液には濃度差があります。このように液体の中で濃度の差があると、濃度の高い方から低い方に物質が移動して、最終的には、全体が同じ濃度になる性質があります。
 この現象は「拡散」と呼ばれますが、2種類の液が膜で仕切られている場合にも、同じような現象が起きます。この場合、膜をくぐれるサイズの分子と、くぐることができない分子に分けることができます。血液中にある老廃物は比較的小さな物質が多く、これらの多くは膜をくぐることができます。しかし、血液中にある大切な成分(タンパク質など)は大きな分子なので、透析膜をくぐるものはあまりありません。

※透析膜のアレルギー
 透析後に発熱する方がいると思います。そういう時はダイヤライザーの中にある「透析膜」のアレルギーを疑ってもいいと思います。
 透析膜のアレルギーは、透析患者にとって深刻な問題です。透析膜は血液を濾過する為に使用されるフィルターの一種であり、患者にとよってはこの膜に対するアレルギーが起こる場合があります。透析膜は、血液透析時に血液と透析液を交差させて老廃物・水分などを吸着するための膜であり、多くの場合は人工的なポリマーから作られています。
 しかし、透析膜に対するアレルギー反応も報告されています。透析膜アレルギーは、皮膚の痒み、発熱、咳、じんましん、喉の腫れ、血圧低下、呼吸困難などの症状を引き起こすことがあり、その人によって違いがあります。透析膜に対するアレルギー反応を避けるためには、事前にアレルギー検査を行い、適切な膜を選択することが重要です。重度のアレルギー反応では、アナフィラキシーショック(ショック状態)に陥ることがあります。
 透析患者は、透析膜に使われる材料にアレルギー反応を起こす可能性があるため、医師に報告する必要があります。医師は患者の症状を評価し、必要に応じて別の透析膜を使用するか、治療法を調整する必要があります。

※血液透析のリスク
 人工透析を受けるにあたってはリスクがあります。ポンプの力を借りるという事は、大量の血液を循環させるので心臓に凄く負担がかかり、高齢者などで間違って針を抜いてしまうなど命に関わる出血を起こす可能性があります。透析室にはスタッフがいるので早期に対処できる体制が確立しているので心配はないでしょう。
 透析の期間が長くなってくると腎機能が低下すると尿が出なくなり(無尿)、透析と透析の間に体重が増えやすくなり、体重が増加する事が多くなります。それが原因で透析中に血圧が下がったり、透析後に倦怠感が出るなど患者の体に負担が増すので、日常生活の水分の取り過ぎや食べ過ぎには十分に気を付けて下さい。自己管理をしっかりとしていかないと命を縮めることになります。

※透析患者の運動リハビリの必要性
 透析患者さんにとって、運動リハビリは非常に重要で、運動療法は、運動耐容能、歩行機能、身体的QOLの改善効果が示唆されるため、行うことが推奨されています。透析患者さんの中でも、運動習慣のある方は、運動しない方に比べて、死亡リスクが3割低いことが報告されています。また、一定の有酸素運動を定期的に長期間行った報告では、身体活動能であるQOLが向上し、蛋白異化が抑制され、体重減少や低栄養状態が改善されたという報告もあります。
 透析患者さんの運動の基準はひとり一人異なりますが、透析をしていない日に4000歩以上歩く、もしくは、30分以上の散歩を週に5日行うことが目標とされています。筋力低下がある場合には、自宅でスクワットや踵上げ運動、チューブを使った上肢の運動などのレジスタンス運動も行うことが推奨されています。

※血液透析の合併症
 血液を体外に無理に循環させるので、それに伴う合併症が出やすくなります。
〇血圧変動
 体内の血液が一時的に低下するため、血液透析中は血圧が低下しやすくなります。血圧低下により、あくび、吐き気などの症状が現れることがあり、症状が酷くなるとショック状態になることもあります。
〇出血傾向
 体の外に出た血液が固まるのを防ぐため、血液透析中は血液を固まらないようにする抗凝固剤と呼ばれる薬を使用するため、治療中は出血しやすくなります。
〇不均衡症候群
 透析導入後は、透析によって急激に体内環境が変化するため、透析中や透析後に頭痛や吐き気などの症状が現れやすくなります。通常、2~3回程度透析を経験することで症状はなくなります。
〇アレルギー
 透析治療に使用するダイアライザーの透析膜や、薬剤に対するアレルギーが出る場合があります。アレルギー症状はかゆみや発熱などが多いですが、まれに呼吸困難や著しい血圧の低下などの重篤な症状が現れることもあります。
〇シャントトラブル
 血液透析では「ダイアライザー」に大量の血液を流すので、腕に動脈と静脈をつないだ「シャント」を作ります。シャントの作ることによって、血管の狭窄や閉塞が起こる事ががあるので、シャントの音を毎日確認し良好に流れているかを必ず確かめることが必要です。
○破壊性脊椎関節症
 長期透析患者による、椎間板と椎体とのつなぎ目での炎症が進むと椎間板、骨の破壊が生じて、本来の支持性や脊柱の姿勢が維持できなくなり変形や脊髄の障害を生じる。
〇その他
 動脈硬化による心疾患。「二次性副甲状腺機能亢進症」による骨疾患。透析アミロイドーシスによる「手根管症候群」などがあります。この合併症は、透析治療が長期になることで起こりやすくなります。

※人工透析の未来は…。
 人工透析は、世界で多くの人びとにとって生命を維持するための重要な治療法となっています。将来的にはより効果的で安全な人工透析が開発され、患者の生活の質を向上させます。例えば、自動制御すシステムを導入することで、患者自身が治療の制御を行えるようになる可能性があります。
 また、ナノ技術を組み合わせた新しい人工腎臓(ダイヤライザー)の開発により、より繊細な浄化が可能になり、患者の治療負担が軽減されます。さらに、幹細胞技術を応用した再生医療により、腎臓を再生されることが期待されます。このような新しい技術開発により、人工透析効果が大幅に向上し、患者の生命や健康に貢献できることが期待されています。

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